ヒンジキャップとこし布の洗浄方法

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2020/2/20

商品として使用するビンとヒンジキャップの選定は完了した。

しかしそれだけでは量産できるか分からない。
量産は少量生産より難易度が格段に上がる。
そこで量産試作を行い、生姜シロップが製造できるかどうかを確認していく。

食品の製造工程を考えたときに、最も重要なのは衛生管理だと思う。
不良品=食の不安全品を市場に流出させては絶対ならない。

私はモータ製造会社の生産技術で働いているので、不良品の市場流出”ゼロ”がどんなに難しいことか身に染みて経験している。
食品の不良品は命に関わるので、コストがかかってでも、工程管理による衛生管理をしっかり行い、不良品を発生させないことが重要だ。

以前のブログで書いたが、加熱殺菌処理方法はクリアした。
しかし、あと2つ、どういう工程(管理)にしたら食の安全が保障できるかわからないことがあった。

1つ目の課題はヒンジキャップの洗浄方法。

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ヒンジキャップ_びん市場.comから引用

ヒンジキャップは購入したときに、袋詰めで大量に入ってくる。
キャップメーカーの方で洗浄していたとしても無菌状態ではいられないと思う。
そこでキャップメーカーに問い合わせたが、回答は無かった。。

次に長野市保健所に問い合わせた。こちらは「キャップの殺菌方法に規定はありません」
という回答で終わった。
規定はないけど、どうしたら良いのかというのを聞きたかったが、おそらく分からないのだろうと思い、最後に”小池手造り農産加工所”という長野県飯田市にある会社にダメ元でメールで尋ねた。

この会社は小池芳子さんという方が創業した会社で、いろんな農産物の加工販売を行っている。
この方の本を長野県立図書館で見つけ、生姜シロップの製造方法などで、参考にした。
この会社なら専門的な知見があるはずと思った。

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引用_小池手造り農産加工所の商品
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製造方法で参考にした本の表紙

回答は直ぐに来た。

一般的なヒンジキャップでメーカーから出荷された状態の物であれば既に洗浄が済んでいるので、開封後はそのまま使用して問題ない。
そして打栓後には加熱殺菌するので、それで十分であるとのこと。
もし、衛生的に不安が有るなら、打栓前にキャップの内側をアルコール消毒すれば良いともご助言いただいた。

見ず知らずのメリットのない”私”に対して、とても丁寧に教えてくれた。
本当にすばらしい人、会社だと思う。

補足として、ヒンジキャップでのトラブルで多いのは瓶口外側とキャップの裾の内側に発生するカビで、打栓前に瓶口に内容物の付着が無いようにふき取るなどの注意が必要ということであった。

調べてみると、食品衛生用のアルコールというのがあるので、ヒンジキャップ打栓の前には、衛生管理のため、キャップの内側にこれを噴霧する工程を追加する。

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食品衛生用アルコール

2つ目の課題は、スライスした生姜を煮詰めてシロップとして絞り出すときに使用するだしこし布の管理方法である。

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だしこし布

こちらは購入先の吉田織物株式会社にメールで確認した。
使用後は食器用洗剤で手洗いし、よく乾かして次回に使用するということであった。

悩みの2つが解決したので、今後は製造工程仕様書を作成の後、量産試作を行う。

この記事を書いた人

Reishi

1985年生まれ 長野県上田市在住
趣味:剣道、スノーボード、スキー
目標:かっこよく生きる