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2022/2/28
生姜シロップと生姜糖の量産試作のため、朝8時ころ実家から県工業技術センターに向かった。
前回は3人だったのに対し、今回は母と二人。
今後は二人で生姜糖も製造できる量にしようと思い、生姜シロップは前回の量産試作時の半分の量と決めていた。
今回使用する生姜は、実家の畑で11月に収穫した”長野県産の生姜”3.7kgだ。
そして家族、親戚、友人に試飲してもらった感想をとりいれ、甘さを増すことと、辛みを少し抑えたレシピにしていた。
製造量が半分になったとしても生姜糖作りには時間がかかる。
なので手際よくやらないと1日で終わらなくなってしまう。
お昼前にできるだけ進めようと思った。
しかし、この焦りがいけなかった。。
スライスした生姜に砂糖をいれて待機というところが区切りが良いし、11:30くらいだったのでそこでお昼休憩にすべきだったが、続けてしまったため、休憩が14時ころになってしまった。
母も自分も疲労がたまり、ご飯の時間もそれほどとれない進捗だったので、母は苛立った。
これは失敗した。適切なところでの適切な休憩時間がとれないと続かない。
お願いする立場としてこの配慮が欠けていた。
午後は疲れがとれない状態で、黙々と作業を続けた。
追い打ちをかけるように生姜シロップの加熱殺菌工程で問題が発生した。
92℃15minの加熱殺菌中に打栓後のヒンジキャップが外れた。
27本中10本の高確率だ。
前回は54本中1本も発生しなかったのに何故??
その時は原因に気づけなかった。
あとで分かったが、ヒンジキャップの脱気工程が良くなかった。
92℃1min経ったところで、仮で乗せたヒンジキャップを一度ビンから完全に外すという脱気が必要だった。
キャップを仮で乗せておけば少しの隙間から膨張した空気が放出されると思い込んでいたが、そうならなかった。
結果、脱気されない状態で打栓されたので、加熱時間が経つと空気の膨張に締結が耐えられず、外れた。
前回発生しなかったのは、前回はこの工程がスムーズにいかず、ヒンジキャップを乗せ直すことをしていたためだということに気づいた。
生姜シロップが何とか完成した後は生姜糖作りだ。
生姜糖作りは半寸胴鍋に生姜が焦げ付かないよう頻繁にかき混ぜなければならないので、へとへとだった。
そして、60分経過した。
時間は15:50ころになり、まだ乾燥が足りず、砂糖が結晶化してこなかったが、時間切れで、乾燥工程を終えて次の作業にとりかかった。
後片付けと掃除を終えて終了したのは17:20。
製造場所を借りているため、17時には終了しなければならなかったのだが、時間オーバーで、県工業技術センターの栗林様にも迷惑をかけてしまった。。
前回より上手くいかず、落ち込んだ。
大きな課題は生姜糖の乾燥時間短縮だ。
これができないと量産は厳しい。
もっと効率良く乾燥できないか?
今回は鍋内の蒸気を飛ばすため、扇風機を使用した。
これだと蒸気は飛ばせるが、せっかく熱された上側が冷えてしまう。
また、半寸胴鍋だと乾燥させる生姜の量に対して表面積が小さく、食材が重なった状態になり、常にかき混ぜないと水分が放出されづらい。
そこで今度は温風(ドライヤー) +広いフライパンで試してみる。
以下、量産試作結果のまとめ
・製造結果
試作者:私、母
試作時間:8:45~17:20
目標量:4.05L(150mLx27本)
完成量:4.6L(生姜3.7㎏使用) ※加熱不良は10/27本
加熱殺菌時間:92℃±2℃で15min
pH:4.00 〇(4.6以下)
糖度:19.9 〇(想定通り甘さ控えめ)
生姜糖完成量:880g(40gx22袋)
・試飲の感想
生姜シロップ:炭酸水=1:4のジンジャーエールにした。
前回(2021/4/27)の量産試作時より美味しい!!
渋みとえぐみ?が無くなった。酸味も減った。
これは以下3つの変化が良い方向に働いたと思う。
1)灰汁をしっかり取り除いた
2)レモン果汁を美味しいものに変えた
3)砂糖の量を増やしたことで酸味が気にならなくなった(増やしたといっても甘さは控えめ)
この中で1番効果があったと感じたのは、灰汁取りだ。
前回のとき、渋みと酸味が合わさると嫌な感じになっていたが、今回は渋み(えぐみ?)が無くなったことで、酸味が嫌にならなくなった。
むしろスッキリして美味しさUP!
料理において、しっかり灰汁取りすることがこんなに重要だとは。。
自分の中でかなりの衝撃だった。
友人の反応は、「あり!でももう少し辛み抑えてもいい」とか
叔母夫婦は「ジンバックにして美味しかった、買いたい」とか、
妻の姉は「美味しかった」など、前回より周りの評価も良かった。
・生姜糖の感想
「不味くはないが・・誰に向けて売るのか分からない」という感想が複数あった。
今回はそもそも乾燥不足で納得のいくものが作れなかったのでこれ自体も大きな課題である。
浅間リサーチエクステンションセンターの岡田センター長が美味しいと言ってくれたり、自分でも美味しいと思うので、今後の改善次第では生姜シロップ以上に化けるかもしれない。いや化けさせる。
今回は初めて長野県産の生姜を使って量産試作を行った。
反省すべきところは沢山あったし、へとへとになったが、美味しくできたことで救われた。
応援してくれる人がいるというのも力になる。
今後も改善を重ねていく。
お母さんまたお願いしますm(_ _)m