生姜シロップの量産試作@県工技センタ-

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2021/4月上旬

食品業界ではどのような名前で呼んでいるかわからないが、現在働いているモータ製造業では製造工程仕様書と呼ばれるものがある。
これを基に組立工程を行ってモータを量産していく。
この仕様書のフォーマットを参考に、生姜シロップの製造工程仕様書を完成させた。

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製造工程仕様書一部抜粋

これが完成すれば、製造に必要な道具や消耗品、食材とその数量がわかるので、部品表が作成できる。
この部品表を用いて、製造に必要なものを準備した。
今回は高知県産の生姜を使用する。

食品メーカでは働いたことがないが、製造業の生産技術として働いてきて良かったと思った。

2021/4/26

翌日に控えた量産試作に向けて、協力してくれる母と妹の旦那の真彰くんに製造工程仕様書を渡して、一緒に読み合わせながら、明日の作業分担や内容を共有した。
3人でイメトレができてとても良かった。

2021/4/27

荷物を車に積み込み、午前8:20に県工業技術センターに到着した。イメージ通り道具や食材を配置して、準備が整ったらすぐに作業を開始した。

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長野県工業技術総合センター入口

先ずはビン容器を煮沸→乾燥する。

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煮沸後のびん容器

ひたすら8㎏の生姜の皮むきとスライス。
皮むきはいろんな方法を試した結果、スプーンで剥くことにした。

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生姜皮むきとスライス
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生姜皮むき
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生姜スライス

寸胴鍋に調味料を投入していく。

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砂糖投入
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はちみつ投入
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香辛料投入

pH調整のためレモン汁投入。味もさっぱりする。

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レモン汁投入
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濾す作業

ビンへ生姜シロップを充填したら仮でヒンジキャップを載せ、92℃まで加熱し、キャップの脱気をおこなう。
ヒンジキャップは予め食品衛生用アルコールで除菌しておく。
その後1本ずつ取り出し打栓。

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ビンへ充填
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キャップ除菌
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脱気後充填1
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脱気後充填2

92℃15minで加熱殺菌。
加熱殺菌の必要条件は、85℃30min。
これと同等の加熱処理は92℃3min。
これには加熱温度と時間の計算式というものがあって、そこから求めた。
容器の内部まで92℃になるのに時間がかかるので余裕をもった時間設定にしたい。
ただし、加熱時間が必要以上に長いと風味が損なわれていくので、それも考慮した時間設定で15minとした。

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加熱殺菌

製造した生姜シロップのpHと糖度を測定した。
これは毎回安定した品質ができていることを確認するための判断指標となる。

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PHメータと糖度計

空冷したところで梱包して完了。

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梱包

片付けと掃除をして終了となった。
この時はやり切った充実感と疲労感が入り混じった状態だった。
夕飯は実家でHotmottoで買ったお弁当を食べたが、
格別に美味しかった。

その日の夜、妹の旦那の真彰くんは生姜シロップをお湯で割って飲んだとのこと。

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ホットジンジャー

結果のまとめ

・製造結果
試作者:私、母、真彰くん
試作時間:8:00~17:00
目標量:8.1L(150mLx54本)
完成量:10.2L(生姜8.2㎏使用)
加熱殺菌時間:92℃±2℃で15min
pH:3.55 〇(4.6以下)
糖度:12.5 〇(想定通り甘さ控えめ)

・試飲の感想
生姜シロップ:炭酸水=1:4のジンジャーエールにした。
家族の感想は、辛すぎるとのこと。
香辛料として使用した鷹の爪はもっと減らして良いと感じた。
個人的には、香りと甘味はさっぱりして良い。
ただ、酸味が苦味と合わさり、少し嫌な感じになっている。
少量試作してきたときより美味しく感じなかった。
なぜ量産したらこうなったのだろう・・・

今後の課題

1.試作時間9時間はかかりすぎ。
 場所を借りているということと、体力的に
 あと1時間以上は短縮する必要がある。
 以下2つで時間をロスした。
 ①温度計の固定方法に悩んだ。
 ②生姜シロップをビンに充填→脱気→打栓の工程   →加熱殺菌を
 2サイクルさせたが、そのときのイメージができていなく、スムーズに行えなかった。
 この2つを改善すれば、次回は1時間くらいの短縮ができると思う。

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温度計の固定に悩む

2.味の改善
 レモン汁の量が多すぎたため酸味が強すぎ、嫌な感じになった可能性がある。
 保存条件はポツリヌス菌が生息できないpH4.6以下であれば良いが、3.55まで下がっていた。
 この酸味を抑えるため、今後はpH4.4付近を狙う。
 水において今回は黒曜水という長和町の名水を使用したが、これではなく、弱酸性の天然水を探して使用できれば改善するかもしれない。
 
3.スライスした生姜の活用方法
 濾した後のスライス生姜の活用方法を考える。
 シロップがしっかり残っていて、これ自体とても美味しい。
 この食材を廃棄してはあまりにもったいない。

最後に・・・

製造工程仕様書を作って、イメトレして、準備は万端整った!と思ったがそれでも問題が発生した。
しかし量産試作により、課題を抽出できたし、8割くらいは想定通り進んだので自信にもなった。
これができたのは母と真彰くんの協力があったからこそ。

ありがとう。

この記事を書いた人

Reishi

1985年生まれ 長野県上田市在住
趣味:剣道、スノーボード、スキー
目標:かっこよく生きる