2022/11/20
漸く納得のいく生姜糖が作れるようになった。
2022/2/28に県工技センターでの量産試作で生姜糖が失敗に終わっていた。
課題が2つ分かった。
①乾燥に時間がかかりすぎる
②納得のいく生姜糖が安定して作れない
①については、半寸胴鍋を用いて、生姜シロップのために絞った後のスライス生姜に対して砂糖を追加投入したあと、乾燥させていくのだが、蒸気が鍋から出られなかったのが乾燥時間のかかる要因の1つだと考えた。
そこでフライパンで行うようにする。
さらに積極的に乾燥できるよう、ドライヤーを用いることにした。
②について、カリカリ、サクサクとした食感が残るような生姜糖にしたかった。
しかし、カリカリ、サクサクとできたり、できなかったりで安定して満足のいく生姜糖が作れていなかった。
そこで、安定してカリカリ、サクサクという食感ができる条件をみつけることも今回トライした。
手順は基本的に以下の3ステップ。
1)生姜シロップのために絞った後のスライス生姜をフライパンに入れて加熱し乾燥させる
2)スライス生姜が乾いてきたところで砂糖をいれる
3)加熱し続け、かき混ぜながら乾燥させる
砂糖の投入量やタイミング、火加減を変えて5パターン作製した。
かろうじて成功といえるのは、下の写真で左から1番目の生姜糖であった。
カリカリ、サクサクと、スライス生姜に砂糖がコーティングされて美味しかった。
左から2番目は最後にグラニュー糖を追加でまぶしたが、サクサクはせず、手にグラニュー糖がついて食べづらかった。
左から3番目は砂糖の投入量を増やしたが、飴っぽくなってこれはこれで美味しいが納得のいくものではなかった。
左から4,5番目も火加減をかえたりしたが、ふにゃふにゃの食感だった。
そして砂糖が完全に溶けきれていなく、結晶が残っていた。
結局ここまでの時点では安定して美味しい生姜糖を作るコツがわからなかった。
そこで、砂糖の特性を調べることをした。
すると以下のことが分かった。
砂糖は加熱温度によって、6種類に変化する。
https://seitokogyokai.com/science/changes/
精糖工業会資料引用
フォンダンの状態で再結晶化させると砂糖衣になる
https://www.cotta.jp/special/article/?p=15955
cotta column引用
生姜糖は核が生姜で、フォンダンの状態から再結晶化させたお菓子なんだ!
試作で飴状になったのは、加熱温度が若干高かったからだ。確かに火を強めていた。
また、生姜糖を上手に作る以下の動画を何度も観た。
【切って煮詰めるだけ】超簡単に作れる美味な生姜チップス!~本場の韓国料理~
https://www.youtube.com/watch?v=IUfQ4QhIYD0&t=294s
この動画を見ると、スライス生姜を乾燥させる前に砂糖を投入している。
そうか、砂糖が溶けるのは、水分があるからなのか!
だから生姜を乾燥させてから砂糖を入れると、水分がないから砂糖が溶けていかない。
砂糖が溶ければ生姜の内部にも浸透し、その後の工程によって内部まで砂糖が再結晶化する。
だからカリカリ、サクサクの食感ができるのかもしれない。
この仮説の元、2022/12/12に再挑戦した。
大成功!!
生姜が核となり、砂糖衣ができた。
ポイントは砂糖が白く泡立ってきたら弱火。
その後ずっとかき混ぜ続ける。
漸く納得のいく生姜糖が作れるようになった。